Vol.6 RAWデータとJPGの違いとメリットデメリットを比較してみる
一眼レフで撮影するときに画像の保存形式にRAWで保存とJPGでの保存の2種類があります。(Q7の場合)
私はJPGでいつも保存していたのですが、色々な方のサイトなどを見ているとRAWデータで保存されている方が多いんですよね。RAWデータで撮影すると何が嬉しいのかを検証していきたいと思います。
RAWデータというのは生データなどと言われて、カメラの保存形式に限らず色々な場面でRAWデータ(ローデータ)という名称は使われるんですよ。例えば、WEBサイトのアクセス集計などをするときに、検索ワード上位10ワードを抽出したサマリーデータを作ったとしたときに、10位以外のワードも欲しいんだけどローデータある?などと言われたりします。
要するに元データだったり生データだったり、何かを作るための大本の状態のデータを指す、と思ってもらえれば分かりやすいかと。
では、それがカメラの撮影データの場合、どうなるか。
良く例に出されるのがホワイトバランスの話になるのですが、そこらへんの話をすると自分が理解しきれていないうえにわかりづらくなるので、一発で理解できる分かりやすい比較データを用意しました。
RAW 21,131KB
JPG 3,150KB
RAWとJPGの概念も含めて一番分かりやすい比較写真です。全くの別物と思われるかもしれませんが、写真は1枚でカメラの設定でRAW+JPGで保存した2枚の写真です。
右の写真はQ7のフィルター「ハードモノクローム」設定で撮った写真です。左はそのRAWデータ。要するにカメラのフィルタ設定は無視されて生の状態で保存されるわけです。Q7のフィルタ設定は撮影した写真にQ7側で色々な項目をいじってモノクロに仕上げているので、RAWの状態では何も記録されていないわけです。
これがRAWデータのメリットでありデメリットであります。
余談ですが、今日初めてRAWデータで撮影してきたわけですが、このページ作ってて気づいた。あの時に「極彩」フィルターで撮ったあの写真はなかったことになってるんだなぁ。
大きな違いについて把握できたところでもう少し良いところと悪いところを比較してみます。
RAWで撮影すると画像データでなくなるのでスマフォでは画像が見れません。またWEBでもそのままの形式では使えないためJPGで書き出す必要があります。
うちでは撮った写真をNASに保存してスマフォで見ることが多いので、これはなかなか致命的です。
撮影した画像をNASからダウンロードしてフェイスブックやインスタグラムに投稿する際にJPGで書き出さないといけないわけです。
RAWデータで撮影を行うとJPGと比べて約6倍~7倍のデータ量になりました。(Q7の場合)
これは思っているよりずっとインパクトの大きな話です。個人的には。
ストレージにかかるコストが7倍になるということは、私は8GBのSD「Eye-Fi MOBI」で撮影しております。
保存できる容量を気にしたことはありませんでしたが、今日、RAWデータ撮影をしたときに保存できる枚数が約300枚と表示されたときに結構ビビりました。少ないと。(JPGだと2000枚くらい)
ただこのコストはお金をかければ解決できるわけで、まぁ、なんとかなります。それ以上のメリットを感じられれば。
RAWデータで撮ると写真がきれいに撮れると錯覚しがちですが、写真の撮影されるサイズ(px数、解像度)はJPGでもRAWデータでも同じです。画像に対して保存される情報量が多いというだけで画素数や解像度は変わりません。
ただし、扱われる色数が各段に変わります。
JPGの場合8ビットで1670万色、RAWデータの場合12ビットで6870万色とスペック上はかなり差がありますね。データがでかくなる原因はここなんでしょうな。
写真を見比べていて気づいたのですがQ7の場合、レンズの湾曲収差が効かなくなります。簡単に言うと曲がって撮れているものをまっすぐに補正してくれる機能が効かなくなると。一応、写真を用意しました。
RAW
JPG
これはわからないですね。これでわかったらすごいです。RAWの方が端っこにいくほど差がでているのですが、そこまで大きな差がないのでこの状態の比較だとわからないですね。これも大した影響ないかなと思うのですが、せっかくなので分かりやすい比較写真をさらに用意しました
全体
4分の1拡大
RAWで撮影した写真の上に透明度50%のJPG敷いて比較してみました。(元サイズは4000x3000px)レンズは01STANDARD PRIME
比べるとそこそこの違いはありますね。ここで大事なのはブレ幅の大きさというよりもRAWで撮ると湾曲して撮れてしまうという事実。
しかし!ライトルームのレンズ補正を使えばばっちり補正してくれます。
ペンタックスの01STANDARD PRIMEが入っているか心配だったのですがありました。01、02、06はあります。トイレンズの方はないみたいです。
この補正をかけるとJPGと同じ湾曲収差をかけてくれます。
RAWデータで撮影するということはカメラのフィルターは効かず、ホワイトバランスがそのままの状態で撮影されるのでレタッチを行うことでそのメリットが生かされるわけですね。JPGで何がどう違うのかを見ていきます。
ライトルームでは、ホワイトバランスの設定できる下限値と上限値が全然違います。すさまじい差があるぞ。
RAW
JPG
RAWデータの場合、色温度が2000~50000の間で設定できます。JPGの場合は-100~100まで。圧倒的な差がありますね。
その下の色かぶり補正はRAWが-150~150まで、JPGが-100~100まで。こちらはそこまで大きな差はないですが、それでも差はありますね。
差があるのはこの色表現のみのようで、他の項目は同じ量で設定できます。
私は今後もJPGメインで撮影します。自分で作っておいてなんなんですが、比較してみて色々と理解が深まりました。Q7のような日常を切り取って楽しむカメラはRAWデータ撮影に向いてないことが分かりました。
カメラというよりも自分が求めているものでしょうね。
Q7の良いところはフロントにあるダイヤルを切り替えることで色々なエフェクトの写真が撮れるんですけども、それらが全部きかなくなるRAW撮影はなんか違うなという気がします。エフェクトを含めてどういう写真を撮ろうかなという楽しみがなくなってしまうのがもったいないなぁと思うんですよ。
但し、夕陽の写真や青空の写真など色温度の調整で色々と印象が変わる写真なんかはRAWで撮影するのもありだと思いました!要は使い分けですね。
RAWデータで得られるレタッチの自由度よりも、JPGで撮影する色々な楽しさの方がQ7については上回っているかなと思います。RAWだとデータ重いし。
後は使用目的がWEBサイトの使用だったり、インスタグラムでのUPだったり、WEB使用がメインなのでそこまでクオリティを求めていないというのも大きいですね。
色温度の調整の幅がすごく、大きいです。
RAWデータで撮影すると本格的な撮影している気分が味わえる。
レタッチの幅が広がる。
Q7のエフェクトが効かなくなる。
画像サイズが7倍に膨れ上がる。
レタッチしないと面白くない。
画像データをスマフォで見れない。
JPGに書き出す手間がマストになる。
カメラ側のエフェクトで色々楽しめる。
撮った写真をそのままの状態で使える。
画像サイズが小さい。
カメラ側の設定を超えたレタッチができない。
失敗した写真のリカバリーの幅が小さい。
編集を加えると画像が劣化する。
一眼レフカメラなどで本格的な写真をぬかりなくレタッチを行って使いたい人には、RAWでの撮影が当たり前になると思うのですが、ライトユーザの私にはRAWで撮影することで発生する様々なコストを超えるメリットは今のところ感じられませんでした。
JPG撮影でも個人的には十分きれいな写真が撮れると感じているので、今後もJPGメインで行きます!
ただ、RAWで撮影した写真をまだレタッチをちゃんとやっていないので、今後変わるかもしれませんが!
UP DATE:2016-06-26
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